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2021.7.2
パーソナルモビリティ試乗会に附属小35名が参加

 

 

2021年7月2日、大川一也准教授と株式会社アイシンの共同で開発したパーソナルモビリティILY-Ai(一人乗り移動ロボット)の試乗会を開催し、千葉大学附属小学校3年1組の35名が参加しました。同機はアリが餌を得てから巣穴に戻るまでの方向感覚を参考にしており、人が操縦して辿り着いた場所から自動で元の場所に戻る機能を備えています。2020年にイオンモール幕張新都心で実証実験を行い、同機の改良版は、岐阜県の商業施設で実稼働しています。

パーソナルモビリティILY-Aiに試乗する小学生
パーソナルモビリティILY-Aiに試乗する小学生
      
パーソナルモビリティILY-Aiに試乗する小学生
附属小の教室の昆虫飼育スペース

現在、附属小3年1組の子ども達は、総合的な学習の時間を使って、理科の調べ学習を元に、⽣き物の観察・調査・発⾒・応⽤までのプロセスを学習しています。担任の廻教諭は、教室にヤゴやアゲハチョウの飼育スペースを設け、「パソコンの画面だけではなく、実物を見て学ぶことを大事にしている」と言います。



そんな廻教諭の授業を受けてきた子供たちは、 試乗会当日、大川准教授がアリが巣穴に帰る方法について尋ねると、「フェロモンを手掛かりにしている」と回答。大川准教授は「砂漠アリの場合、フェロモンが乾いたり、砂が風で流れても巣穴に戻れる。太陽の光が大気にぶつかってできる特殊な光も手掛かりにしている」と最新の知見を紹介して、これまで開発したパーソナルモビリティの技術の背景にあるアリの特性を説明しました。

試乗が始まると、パーソナルモビリティが自動で元の位置に戻る様子を見た子ども達から歓声が上がりました。実際に試乗した児童は、「最初はちょっと怖かったけど、とても楽しかった」と話し、その後も熱心にメモを取っていました。

一番工夫したところを聞かれた大川准教授は、「センサーを水平ではなく斜め上に向けて取り付けたところ。走行していくうちに広い範囲の空間を見ることができ、効率的に情報を収集することができる」と答えました。他にも燃料についての質問が上がり、「走行用とセンサー用の2個の電池があって、危険を回避するためにセンサー用の電池を長持ちさせることが大事」と設計上の工夫についても説明しました。

附属小からの見学受け入れは、今回で2回目。CAIVでは今後も、こうした小学生のための学習の機会を設ける予定です。

なお、今回チバテレビの取材が入り、当日の様子は以下のリンクからもご覧になれます。