CAIVとは 記事 メンバー 研究開発 共同研究 人材育成 お問合せ
CAIVとは 記事 メンバー 研究開発 共同研究 お問合せ

2022.6.1
流体分野トップジャーナルPhysics of Fluidsにて論文が特集される

 

CAIVセンター長の劉浩教授の共著論文が流体分野トップジャーナルPhysics of Fluidsに掲載され、編集者注目の論文として特集されました。

 

これまで飛行ロボットへの応用を目指して、昆虫の羽ばたき翼の空力特性に関して研究が行われてきましたが、それらは単一または対になった翼モデルのホバリング飛行に焦点を絞った計算や実験が主でした。今回、劉教授らは、スズメガ科のタバコスズメガ(煙草雀 Manduca sexta)を対象とし、その翼と胴体の相互作用に注目しました。計算流体力学の翼-胴体モデルを使って、ホバリングや前進飛行中の様々な飛行速度で数値シミュレーションを実施したところ、タバコスズメガの前進飛行には、前縁渦と体側渦の両方、およびそれらの速度依存的な相互作用が確認されました。また、前進飛行時の速度が約3メートル毎秒において胴体が揚力の発生に最も寄与し、2メートル毎秒において消費パワーが最も小さく効率的に飛行していることもわかりました。羽ばたき昆虫の翼と胴体のモデルから、様々な飛行速度で解析がなされたのは初めてのことです。こうした翼と体の相互作用は、羽ばたき型小型飛行ロボットの設計に役立てられることが期待されます。劉教授は、「空力学とエネルギー学、特に羽ばたきと飛翔体の間の空力学的相互作用については、依然として未解決の問題があり、新しい知見を提供できたことを嬉しく思います」と述べています。
数値シミュレーションの様子